自らが挑むからこそのチャレンジだろ。 #たけお問題
『樋渡の施策を手放しで支持するアホウどもへ #たけお問題』の続きというか補足。
樋渡啓祐の施策について「チャレンジを支持する」みたいな主旨の発言が、アホウな為政者に限らず一般人からの声にも散見されるが、実際にチャレンジすることになるのは行政側ではなく『市民』だからな。
しかも、内容としては行政に強要されているようなもので、それはもはやチャレンジですらない。
私に言わせりゃ「やらせる」のも「やらされる」のもチャレンジじゃねーよ。
こういう書き方をするとまたバカな輩がうだうだ言ってきそうだが、「選挙は白紙の委任状を渡すシステム」なんかじゃねえぞ?
「チャレンジを支持する」とかほざいている為政者は、市民のことなど念頭に無い人間だと判断するわ。
「チャレンジを支持する」とかわかったようなことを言っているアホウな市民は、行政が為すことについて「チャレンジだから」と、一切の文句を言わずに全て受け止めて生きていけよ。
フッター代わりにこれでも見てこい。
樋渡の施策を手放しで支持するアホウどもへ #たけお問題
「万人に受けようと思ったら、ものすごいつまんない図書館しか出来ないんですよ。この図書館が嫌だったら他所の図書館に行きゃあいいんですよ」
という図書館に関しての発言。
更に公教育において唐突な私塾との提携の発表。
市民がそれを忌避するためには、住まう場所を変えるくらいしか手がない。
実際に住まう人々の状況を慮ることなく、そんな施策を手放しで支持している輩。
とっとと、武雄市に引っ越したまえ。
言い訳は出来ないよ。
タフ?
全作読んでいるのだが、あまりにも読みたい本が無いのでRaymond Chandlerの本を再購入して読み返している。
清水俊二訳の『Playback』を読んでいたら、あの有名になりすぎたセリフが出てきた。
『If I wasn't hard, I wouldn't be alive. If I couldn't ever be gentle, I wouldn't deserve to be alive.』
映画『野生の証明』で「男はタフでなければ生きて行けない。優しくなれなければ生きている資格がない」とキャッチコピーで使われて有名になったのだが、Philip Marloweって本の中で何度も自分がタフであることを否定してるんだよね。
なので、清水俊二訳の「しっかりしていなかったら、生きていられない。やさしくなれなかったら、生きている資格がない」のほうがしっくり来る。
昨夜見た夢
昔つきあっていた女性に刺される夢を見た(笑
不思議と穏やかな気分で目覚めた。
それでもおかしい武雄市図書館のスタバ席の話
佐賀県武雄市の問題について:takeoproblem > 03:武雄市図書館 > 09:新図書館への感想など
上記、まとめサイトに流れは記してありますが、それぞれの事象を繋ぐ説明を加えながら書いてみたいと思います。
あ、ちなみに今回は統計の話は出て来ません(笑
そもそもは6席
武雄市の図書館のスタバ専用席が、そもそも「6席であった」という根拠に関しては2つあります。
一つはスターバックスのサイトに、武雄市図書館店が掲載された時の情報です。
2013/5/16 3:00現在、上記で調べると武雄市の図書館のスタバの席数は102席となっています(ただし、後日変更になるかもしれません)が、一番最初に掲載された時点では席数は6席でした。
もう一つの根拠としては、有志が開示請求した保健所に提出された「飲食店営業許可申請」の書類です。
杵保福第310号開示文書(開示文書より一部抜粋)[PDF]
図面を見るとカウンター6席の部分に「客席」と記載されており、客席面積の記載もありませんので、これを全設備ということで申請されていたであろうことが予測出来ます。
開示された情報とスターバックスの「6席」という表示を合わせて考慮すれば、席数が6席だと考えるのはごくごく当然なことかと思います。
ところが武雄市図書館で配布されているリーフレットを見ると、そこには客席数102という数字が存在していました。
リーフレット[PDF]
これを不思議に思った方が、2013/4/15にお客様相談室に連絡したのですが、その3日後の4/18にスターバックスの検索表示が6席から102席に変わったのを確認しました。
そして、今回どうやら席数が更に変わるようです。
きっかけはある高校生の疑問でした。
武雄市図書館を利用しこれからも利用したいと考えている受験生の感想 #takeolibrary
既に5万view近いので、私のブログを見にくる方は既に読まれていると思いますので内容は割愛しますが、これが話題になったため市は謝罪をし、佐賀新聞にも取り上げられました。
この件については、市長の樋渡啓祐自身が自分のTweetで記事へのリンクを貼った上で発言していますので事実であるということで良いでしょう。
重ねて申し訳なく思っています。ごめんなさい。/武雄市図書館で苦情 スタバ席と共有席混同/佐賀新聞ニュース/The Saga Shimbun :佐賀のニュース saga-s.co.jp/news/saga.0.24…
— 武雄市長 樋渡啓祐さん (@hiwa1118) 2013年5月15日
Facebook上でこんな会話が繰り広げられおり、果たして謝罪の気持ちはあったのかというのは、ここでは言及しません。
佐賀新聞の情報によると、営業席50席となっているわけですが、許可申請の図面から考慮しても、そこに差異があることになります。
※2013/5/16 11:20 追記
佐賀新聞では2013/4/1の時点のニュースで、カフェ席を店内50席・テラス席36席としています。
また、そもそもで考えてみれば図書館のリーフレットが作成されたのは、当然ながら図書館が改修されて開館するよりも前の話になるわけです。
ということは、
という流れになるわけです。
順番としては、
という可能性もありますが、どちらにしてもおかしな話になります。
※2013/5/16 11:20 追記
杵保福第310号開示文書についてですが、許可申請が出されたのが2013/3/8で、保健所の検査希望日が3/13となっていました。
また、3/28の内覧会でリーフレットが配布されていましたので、恐らく前者(リーフレット作成が先で申請が後)というパターンになるかと思われます。
こう見ると、そもそも
許可申請をどのようにして取得したか?
内部的な処理関係がどうなっているのか?
がとても気になります。
また、武雄市図書館のスターバックスは直営店ではなく、CCCのライセンス店なので
契約関係がどうなっているのか?
など多くの疑問が残ったままです。
それと、席数が50席ということは防火管理者選任がスターバックス店舗として単独として必要になるはずなのですが、そこの部分とかもどうなっているのでしょうね?
東洋大学 松原聡教授の『武雄をめぐるやりとり(ここ数日のメンション相手)について』について。
『武雄をめぐるやりとり(ここ数日のメンション相手)について』
それほど内容でも無いので手短に書く。面倒だし。
上の松原教授のブログとともに、こちらも見ていただきたい。
違和感そのいち
『自らの思想、立場の相対化ができていない』という部分において、
「自らを「一部の市民」、一部の「公共性、公益性」の代弁者、にすぎないと位置付けることができるか」
と書いておきながら、
『改革の意味を理解しようとしない』の部分で、
「私は、改革とは、「市民サービスの向上を、高い費用対効果で実現すること」と考えている」
という書き出しである時点で、自分自身にその理解が無いのではないかと感じた。
「自分はこう考えている」という理論展開をしているにも関わらず、他人の「こう考えている」というのを否定出来る傲慢さは理解し難い。
違和感そのに
『民主主義の基本である、選挙、議会の軽視』の部分については、そのプロセスが騙し討ちの状態であったことを伝えたわけだが、それを無視した理論展開である。
佐賀県武雄市の問題について:takeoproblem > 03:武雄市図書館 > 05:アンケート
武雄市の議会の議事録[PDF](ページ下部表示271に市民は愚か、議員にも秘密にしていた事実あり)
「このバナナは10円ですよ」と言っておいて、食べたら100円取られる状態を容認するのが、彼にとっての民主主義であるならば、それは民主主義の破壊者と言われても仕方ないだろう。
もしかしたら、指摘した部分を未読なのかもしれないが、それは議論の軽視なので結果は同じである。
ちなみに私は選挙や議会が民主主義の基本という部分にも賛成していない。
代議民主制のシステムを否定はしないが、民主主義の基本は多様性の容認であると考えているからである。
多数決という理論はオチを付けるためには有効だが、それを民主主義とイコールで捉えられるのにも違和感がある。
違和感そのさん
「トータルに見てプラスと判断するのか、その判断が問われる」などと書いているわけだが、私自身は「トータルでマイナス」と判断しているから指摘している。
それを、自分の理解が及ばないから、自分の意見と合わないからと言って、このような書き方をするのはストレートに言えば卑怯な理論展開である。
これについては違和感そのいちに書いたことが全てを物語っている。
どうも松原教授は「変化さえすれば良し」的な理論展開であり、それが崖に向かっていることなど考えることも無さそうだ。
そんな人間が「総合的な意思を持っている」などとは微塵も感じられない。
武雄市図書館のGWの実績数値からの考察
今週のお題「2013年のゴールデンウィーク」
なにやら、はてなブログのお題がゴールデンウィークのようですし、またタイミングよくCCCからのリリースが出てきたので、Part.5を書くのを後回しにしてこちらの考察をしたいと思います。
まあ相変わらず、武雄市の樋渡啓祐市長と同様に「来館者数」の部分を喧伝するようなリリースですが、このリリースを過去に書いたブログと照らし合わせながら考察してみることにします。
延長された開館時間の来館者数に対する寄与率
CCCがこのリリースの前に発表している、武雄市図書館の4月実績のリリースを元に書いた『武雄市における『延長』と『短縮』に関しての考察』において、延長された開館時間がどの程度全体の来館者数に寄与しているかという考察と、それと比較して選挙の投票時間短縮による損失割合を提示しました。
4月実績では1日の平均来館者数3,312人に対して、開館時間12時間のうち延長された4時間の来館者数は607人でしたので、割合としては18.32%となります。
あくまでも平均計算をすするならば、開館時間の1/3なので33.33%となって欲しいところですが、もちろんそうはいかないというのはブログに書いた通りです。
そして、今回発表されたGWの1日の平均来館者数は4,713人。それに対して延長された時間帯の利用者は852人ですので、割合としては18.07%という数値になります。
『武雄市における『延長』と『短縮』に関しての考察』の延長された時間の全体に対する寄与率推測が的外れではないことが、ある意味で証明されたことになります。
この寄与率に関しては今後もつづく予定の『武雄市図書館のデータを開館当初で比較する』シリーズの考察の際に利用していきたいと思います。
純粋な図書館利用者の想定
前回書いたブログの『武雄市図書館のデータを開館当初で比較する Part.4』で、来館者数のうち「純粋な図書館利用者」はどのくらいか?という考察をしました。
平成12年度のデータである「1回あたりの貸出冊数」と「来館者に対する貸出利用者の割合」を代入して数値を求めたわけですが、考察としては説得力のある数字が出せたと思っています。
その結果で導き出された数値は99,358人の来館者のうち、純粋な図書館利用者の推定値は62,475人となり、前回割合を記載しなかったのですが、62.88%の方が純粋な図書館利用者であるという考察をしています。
では、CCCがリリースしたGWの実績データに前回の考察をあてはめてみます。
GW中の貸出冊数は17,797冊。これを平成12年度の1回あたりの貸出冊数3.41冊で除算すると、
17,797÷3.41=5,219.06158.....
となり、推定貸出利用人員は5,219.06人となります。
そして、平成12年度のデータから算出した「来館者に対しての貸出利用人の割合」である26.28%が、この推定貸出利用人員になる来館者数は
5,219.06÷26.28%=19,859.436834
ですので、純粋な図書館利用者の推定人数は19,859.44人となります。
更に、この推定人数のGW中来館者数からの割合はどうかというと、
19,859.44÷47,126=0.4214115.....
となりますので、来館者数のうち、推定する純粋な図書館利用者の割合は42.14%で、4月実績から導き出した62.88%よりも20%低下しており半分以下の数値になってしまいました。
ついでに、リリースに一緒に示されている2012年(平成24年度)の数値についても公開されている統計データが存在しないので一応検証してみます。
来館者に対しての貸出利用者の割合26.28%、1回あたりの貸出冊数3.41冊というデータについてですが、『武雄市図書館のデータを開館当初で比較する Part.3』に示したように、平成12年度~23年度にかけて緩やかな上昇傾向にあったため、ここではその平均値を利用したいと思います。
- 平成12年度~23年度の貸出利用者の割合平均:30.72%
- 平成12年度~23年度の1回あたりの貸出冊数平均:3.99冊
リリースによると、2012年(平成24年度)のGW中の来館者数は8,238人、貸出冊数は9,157冊のようです。
貸出冊数を1回あたりの貸出冊数平均の3.99冊で除算すると、
9,157÷3.99=2,294.987468.....
となり、推定貸出利用人員は2,294.99人となります。
来館者数8,238人の30.72%は2,530.71人になりますので10%未満の誤差数値ですね。
まあ、この部分は今回の考察の論拠が的外れではないことを示すためのオマケですので、特に言及すべき点はありません。
以上の考察から、武雄市の図書館は「既に図書館ではないもの」になっているという印象は拭えません。
実際にはリリースに「1回あたりの貸出冊数」もしくは「貸出利用人員」が添えられていれば、こんなまどろっこしい考察をすることなくダメ出し出来るんですけどね。
その数値を提示出来ないということはTポイント目当ての「とりあえず借りておく」的な利用者が多く、1回あたりの貸出冊数が公開出来る数値ではないレベルだからではないか?と訝しく思っても仕方ないでしょう。
なお、武雄市に関しての統計的な考察に関しては、私以外の方の考察も含め、こちらにまとめつつありますので、機会があったらご覧になってください。
武雄市図書館のデータを開館当初で比較する Part.4
前回の『武雄市図書館のデータを開館当初で比較する Part.3』では、平成12年度の『来館者に対する貸出利用人員の割合』を代入して考察してみましたが、今回は「貸出冊数を貸出利用人員」で割った数値の『1回あたりの貸出冊数』をCCCのリリースの数値に代入しての考察を行いたいと思います。
ある程度、統計の感覚をお持ちの方は、前のエントリーから感覚的に「おかしな数字が出てきそうだ」という予感があると思います。
ところが、その期待を裏切る妥当な数字が算出されます。
しかし、結果としては期待を裏切るようなことは無い考察結果ではないかと思います(笑
今回は貸出冊数を推測値として代入してみる
Part.2で算出しましたが、平成12年度の1回あたりの貸出冊数は3.41冊になります。
平成12年度~23年度の平均値は3.99冊ですが、ここでは平成12年度の数値を代入します。
CCC発表による貸出冊数は55,987冊ですので、
55,987÷3.41=16,418.47507....
となりますので、推測値の貸出利用人員は16,418.48人となります。
この数値を「貸出利用人員」であると仮定した場合、来館者全体からの貸出利用人員の割合は、
16,418.48÷99,358=0.165245....
となり、全体の来館者のうち貸出利用をした割合は16.52%という結果になりますので、平成12年度の26.28%から比較すると、概算値としてほぼ10%低下していることになります。
ちなみに、下のグラフはPart.3で利用した、平成12年度~23年度の「来館者に対する貸出利用者の割合」を示したものです。
平成12年度~23年度の平均割合は30.72%ですので、約半分の割合になってしまいます。
しかしながら、Part.3で利用した推論である「来館者に対する貸出利用人員の割合」を代入し1回あたりの貸出冊数を求めることや、利用登録者数を貸出利用人員と仮定する方法よりも、「現実に即しているのではないか?」と考えています。
何故ならば、平成12年度の武雄市の図書館は「公共図書館としての機能」のみで存在しており、改装後の図書館は「商業施設が付帯している」ため、その商業施設のみを利用している人が存在しているであろうことは、想像に難くないわけです。
その推論をベースに考察すると、平成12年度の「1回あたりの貸出冊数」と、その数値を代入して求められた「来館者に対する貸出利用人員の推定値」を、CCCの数値に代入することで、改装後の来館者のうち「純粋に公共図書館を利用している人数」を仮説として求めることが可能となります。
純粋な図書館利用者の仮説
武雄市図書館における「純粋な図書館利用者」を求めるための仮説です。
- 改装後の武雄市図書館において、貸出利用者の1回あたりの貸出冊数は平成12年度のデータである3.41冊と仮定する。
- 改装後の武雄市図書館において、推測値の貸出利用人員は改装後の全体の貸出冊数から上記の数値を代入して求めた16,418.48人とする。
- 改装後の武雄市図書館において、「純粋な図書館利用者」のうち貸出利用をしている割合は平成12年度のデータである26.28%とする。
では、上記の仮説数値をCCCがリリースしたデータに代入してみましょう。
考え方としては、「純粋な図書館利用者」の26.28%が16,418.48人になれば良いわけですね。
16,418.48÷26.28%=62,475.19025....
となり、改装後の「純粋な図書館利用者数」は、62,475.19人という推測値となります。
では、この推測値を開館日数の30日で割ってみましょう。
62,475.19÷30=2,082.5063333.......
ですので、改装後の1日あたりの「純粋な図書館利用者」は2,082.51人の推測値となります。
実は、これに近しい数値を私は一番最初の『武雄市図書館のデータを開館当初で比較する』で提示しています。
平成12年(2000年)11月に発行された武雄市広報の図書館開館直後のデータ。
1日あたりの入館者数が2,077人なのです。
推論を利用した考察ですが、特に無理な部分は無いと思いますし、適正な数値を算出出来たと思っています。
もしも、今回の上記の推論が「おかしい!」ということになったとしたら、このPart.4に至るまでの推論を適応することになるわけですが、公共図書館の指標数値としては過去の数値を下回るものになってしまいます。
さて、この数値から更に算出すると、改装後の来館者数である99,358人から、推定値の「純粋な図書館利用者数」となる、62,475.19人(約62,475人とします)を減算した人数の、36,883人が「商業施設の利用者」であると考えることが出来ます。
晩酌をしながら書いておりますので、これ以上続けると算数を間違える可能性があるため(笑)、そこからの考察は次回とさせていただきます。
ちなみに、この考察はまだまだ続きます。
何故かと言えば、CCCのリリースにある数値として、利用登録者の市内と市外の割合を一切考慮していないからです。
武雄市図書館のデータを開館当初で比較する Part.3
前回のPart.2で武雄市の図書館が、現在の建物で開館した平成12年度の数値を算出しました。
ちなみに、改修前の図書館の様子については、こちらをご覧いただければと思います。
佐賀県武雄市の問題について:takeoproblem > 03:武雄市図書館 > 08:旧図書館に関して
平成12年度の数値として重要になってくるのは、
貸出利用人員:45,022人
来館者に対しての貸出利用割合:26.28%
貸出1回あたりの貸出冊数:3.41冊
この3つになり、特に重要な数値が赤文字で示した部分となります。
何故、この3つが重要かというと、CCCのリリースに存在していない数値であり、また発表された情報からは求めることが出来ないものだからです。
『武雄市図書館のデータを開館当初で比較する』というタイトルで、Part.1・Part.2と続けてきましたが、ようやくPart.3で本論の冒頭に入ることになります。
長い前置きですみません(笑
CCCからリリースされたデータは、前年同月比で出されているわけですが、「オープン直後の華々しい期間」ということを比較の要素として加味するのであれば、平成12年度のデータと比較するほうが公平性があるだろうことについては、恐らく異論を差し挟む余地は無いかと考えます。
また、一例として人口に対しての利用登録者数の推移をグラフ化したものを提示しますが、比較されるCCCが発表した今回の改装後の数値に対して、平成12年度のデータが特に優位ではないことも納得いただけるだろうと思います。
ちなみにこのグラフは対人口で算出しており、武雄市が市町村合併する以前に関しては、合併された山内町と北方町の人口を加算しています。
実際には『日本の図書館 統計と名簿』によると、合併前の奉仕人口は山内町と北方町の人口を抜いた数字だったのですが、その数値で算出すると平成12年度の登録者数の割合が初年度であるにも関わらず40%に近い数字になってしまいます。
そのため、データとしての公平性を保つべく、公表された奉仕人口ではなく純粋な人口比で計算しております。
では、CCC発表のデータに推測値として平成12年度のデータを代入して、諸々の数字を算出してみたいと思います。
来館者に対しての貸出利用割合の数値を代入してみる
先ず、CCC発表のデータに平成12年度の「来館者に対する貸出利用人員の割合」である26.28%を代入してみたいと思います。
下にこの割合の推移グラフを示しますが、平成12年度から平成23年度にかけて、緩やかな上昇傾向ですので、平成12年のデータを利用することは特に問題は無いでしょう。
CCC発表のデータである、2013/4/1~4/30の来館者数、99,358人の26.28%は、
99,358✕26.28%=26,111.2824
となり、推測値として26,111人が貸出利用をした計算になります。
CCC発表データの貸出冊数である55,987冊から、求められた数値で1回あたりの貸出冊数を求めると、
55,987÷26,111=2,14419....
となり、貸出1回あたりの貸出冊数は2.14冊ということになります。
上に示したグラフはPart.2で利用した平成12年度~平成23年度の1回あたりの貸出冊数の推移グラフです。
上記の元になるデータの平均値は3.99冊になるのですが、そこには遠く及ばず、また平成12年度の数値である3.41冊にも満たないことになります。
あまりにもPart.1でご指摘をいただいた数値との乖離が大きいので、貸出利用人員の部分に違う数値を代入してみたいと思います。
CCCリリースデータに存在する「利用登録者数:13,909人」という数字です。
貸出冊数をこの利用登録者数で除算すると、
55,987÷13,909=4.02523.....
となり、ほぼ平成12年度~23年度の平均値と同等になります。
しかし、この利用登録者数を貸出利用人員とイコールであると仮定すると、来館者数に対しての貸出利用の割合は、
13,909÷99,358=0.1399887.....
となり、来館者に対しての貸出利用割合は約14%と、これまた異常に低い数値になってしまうのです。
この差異の部分から「純粋な図書館のデータ」と「商業施設としての集客効果」を分ける可能性があるのではないか?という推論を立てることが出来ます。
それを更に検証するために、CCCのデータに平成12年度の1回あたりの貸出冊数を代入した考察をするわけですが、長くなると書き手も読み手も混乱するので、続きは次回ということで。
武雄市図書館のデータを開館当初で比較する Part.2
『実は』が使えないので『さて』から書きはじめます(笑
さて、実際には指摘があった通りで、貸出利用した人の割合に関して言えば、館外貸出利用人員から算出するほうが良いですし、せめて図書館の利用登録者数からの算出をしたいところです。
前回の追記では平成23年度のデータによる検証をしようかとも思ったのですが、手元にある佐賀県が公表している統計データにはきちんと平成12年度(2000年)のものが記載されています。
その統計データには、来館者数・貸出冊数・貸出利用人員のデータが存在していますし、武雄市発表の統計情報から開館日数が把握出来ますので、とりあえずそこから諸々の数値を算出してみましょう。
平成12年度(2000年)。つまり、武雄市が今回改修した建物で図書館がオープンした年度の実績です。
来館者数:171,318人
貸出冊数:153,586冊
貸出利用人員:45,022人
開館日数:138日
実は前回の検証を中途半端な状態で「次回に」としたのは、CCCのリリースの中に「貸出利用人員」の数字が存在していなかったからです。
更に、このリリースの中には「登録利用者数」13,909人の記述があるのですが、所有している改装前の統計データの中に、この数字が無かったためTwitterで【緩募】をかけてみたところ教えていただきました。
@seijimatsuda1 日本図書館協会『日本の図書館 統計と名簿』各年版より。twitlonger.com/show/n_1rk4fa4
— 焼きプリン(特殊市民✅)さん (@baked_pudding) 2013年5月5日
わざわざ、日本図書館協会『日本の図書館 統計と名簿』の中より数字を引っ張っていただきました。
ありがとうございます。
これで、平成12年度(2000年)の「登録利用者数」をエントリー出来ます。
登録利用者数:13,786人
さて、ではここから諸々の数値を計算してみましょう。
先ずは前回のブログにご指摘があった、「来館者のうちの貸出利用の割合」ですが、数字があるので簡単ですね。
これは、貸出利用人員÷来館者数で求めることが出来ます。
45,022÷171,318=0.262797......
ということで、平成12年度の貸出利用割合は26.28%となります。
また、1回あたりの貸出冊数は、貸出冊数÷貸出利用人員で求められます。
153,586÷45,022=3.411354....
というわけで、1回あたり3.41冊が借りられていることになるわけです。
ちなみに、平成12年(2000年)~平成23年(2011年)の推移をグラフ化すると、以下のようになります。
平均すると、1回あたり4冊ほどの数字になりますが、考察の中では1回あたり3.41冊という数字を利用したいと思います。
さて、後から他の計算もしなくてはいけなくなると思いますが、今回はとりあえずここまでとしておきます。
中途半端ですか?
そうですよねえ。でも、これには理由があるのです。
何故ならば、CCCから発表された改装後の図書館のデータの中に「貸出利用人員」というデータは存在していないのです。
興味を持って見ていただいている図書館関係者の方には申し訳ないのですが、私がやろうとしていることは、武雄市の図書館の実績を弾き出すことではありません。
もちろん、プロセスの中でその数字も出てくることになりますが、それはあくまでも副産物です。
私の今回の考察の目的は『武雄市図書館における、図書館以外の部分のみ利用している人の割合の想定』と、『図書館以外の施設の存在がどの程度、図書館に寄与しているか』なのです。
考えていただければわかると思いますが以前までの図書館の場合、「来館者の全てが図書館機能の利用者」だったので、100%図書館利用者だったわけです。
ところが、今回TSUTAYAなどの商業施設が入ったことで、純粋な図書館利用者はわからなくなってしまいました。
そこを紐解く作業のため、少々面倒なプロセスを経て検証しているわけです。
実際には、既にある程度の数値的な結果は出ているのですが、ブログで色々な人にそのプロセスを理解しやすくするために、何回かにわけてお送りする予定にしておりますのでご容赦ください。
というわけで、またまた次回につづくのでした。