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Heavy Moon

思いつ記

武雄市における『延長』と『短縮』に関しての考察

先日書いた「Fakeな統計」の中で利用したCCCのリリースの中に、新・図書館の延長時間帯来館者状況というデータがあります。

恐らくこのデータを載せている目的は、昨年度と比較して「これだけ多くなってますよ~」ということを提示したいのでしょうね。

 

しかし、こういうデータを出されると検証をしてみたくなりますよね?(私だけ?)

誰でも理解出来るように「算数」だけで検証してみますので、ついてきてくださいね。

 


では、諸々の前提条件を考えてみましょう。

現在の武雄市図書館の開館時間は9~21時の12時間ですが、以前までは10~18時の8時間だったので、4時間ほど開館時間が増加していることになります。

※厳密に言えば金曜日は10~19時の9時間なのですが、CCCの項目の中にそれについて触れておらず、旧図書館の時間外利用の中に数字として明記されていないので、あえてその部分は無視します。

 

4月の利用者数の合計は99,358人、1日あたり3,312人が訪れた計算になることが明記されていますので、この1日あたりの人数を母数として考察しようと思います。

 

※先ず最初に断っておきますが、この考察は『多少無理矢理な部分』があります。

※何故、無理矢理な考察を行うのかについての理由は後述しますので、途中まで読んで「考察としておかしいじゃんっ」とキレないようにお願いします。

 


 

9~21時間の12時間の開館ということは、1時間あたりの平均来館者数を求める場合、単純に12で割ることになります。

100÷12=8.333333.....

つまり、1時間あたり約8.33%ということですね。

それを母数である3,312人から換算すると、

3312✕0.0833=275.8896

1時間あたり275.89人が訪れる計算になります。

 

この数字に、開館時間として伸びた4時間、つまり4を乗じると、

275.89✕4=1,103.56

1,103.56人という数字が出てくることになりますが、CCCから公表された数字によると延長された時間帯の利用者は607人です。

 

こんな計算をするまでもなく、母数である1日あたりの来館者3,312人のうち、延長時間帯の来館者の607人は、

607÷3,312=0.18327....

18.33%となるわけですが、数字の中身を理解していただくために、わざと回りくどいことをしています。

 

結果としては、本来であれば12時間の中で4時間は、開館時間の1/3にあたりますので、

100÷3=33.3333....

33.33%となる部分の実質が18.33%であるということがわかりました。

 

先ず、ここまでを理解していただかないと、この続きで混乱するかもしれません(笑

 


 

さて、途中で種明かしをすると、先に書いたようにこの考察に無理があるのは、時間帯によるバラツキというのを「前提条件として考慮していない」部分にあります。

普通に考えれば、『遅い時間帯の図書館の利用者の割合が、平均値より低くなるのは当然のことである』という前提を欠いているわけですね。

 

樋渡啓祐市長の発言の中にも「早い時間帯は混んでいる」と同時に「夜は比較的空いている」というのがあります。まあ、当然のことです。

※togetterより『宵闇の図書館への誘い

 

では、何故あえてこのような無理矢理な考察をしたかというと、もうひとつの考察と比較するためです。

 


もうひとつの考察と検証

 ※佐賀新聞のニュースサイトより『武雄市長選・市議選 投票2時間短縮 午後6時まで

 

 武雄市選挙管理委員会は、改正公選法施行により2時間延長された投票時間の短縮を決定しました。
その理由として「延長が投票率の大幅アップにはつながっていない」「期日前投票の存在」「経費削減」「開票結果を早く出せる」ということを提示しています。

 

果たして「開票結果を早く出せる」ことを市民が望んでいるのかは疑問ですが、コスト削減のための副産物だろうと判断し、この部分には言及しません。
また、選挙という重要性の高さに対して100万のコスト削減というのは、個人的には微々たるもののような印象を受けますが、その部分にも言及しません。

 

もうひとつの考察は「延長が投票率の大幅アップにはつながっていない」という部分に関してです。

 


 

前提条件として、短縮前の投票時間は7~20時の13時間となります。


そして、ニュースサイトの中には2006~2008年のデータが存在しますが、直近の2008年のデータを利用して考察します。

2008年のデータによると、18~20時の投票者の当日有権者数に対する割合は5.44%となっています。

 

では、その2008年の選挙のデータがどういうものであったか?ということですが、こちらにまとめてあります。
佐賀県武雄市の問題について:takeoproblem > 01:樋渡啓祐という人物 ‎> 02:市長選

 

2008年の有権者数は40,978人。この5.44%にあたる人数は、

40,978✕0.0544=2,229.2032

2,229.2人になります。


さて、有権者数からのパーセンテージは5.44%ですが、投票者数を母数として考えた場合はどうなるでしょう?
2008年の選挙の投票者数は29,028人ですので、

2,229.2÷29,028=0.076794....

当日の投票者の中の約7.68%が18~20時に投票されたことなります。

 

ぼちぼち、考察の方向性がわかってきましたか?(笑

 

更に、投票時間は13時間だったわけですから、それを1時間あたり平均で考えると、
29,028÷13=2232.9230.....
2,232.92人になります。

 

当然、1時間あたりのパーセンテージは、

100÷13=7.69230....

ですので7.69%になるわけですね。

 

では、以上2つの考察をまとめてみましょう。

 


図書館

  • 開館時間12時間なので、1時間あたり8.33%
  • 来館者3,312人の母数から、1時間あたり275.89人
  • 延長された4時間で換算すると33.33%で1,103.56人になるが
  • 実績は607人で18.32%

実質、4時間延長することで、およそ2.1時間分の寄与。

延長された時間の1時間あたりの全体への寄与率は4.58%となる。

2008年選挙

  • 投票時間13時間なので、1時間あたり約7.69%
  • 投票者29,028人の母数から、1時間あたり2,233人
  • 短縮された2時間で換算すると15.38%で4,466人になるが
  • 実績は2,229人で7.68%

実質、2時間短縮したことで、およそ1時間分損失。

短縮された時間の1時間あたりの全体への寄与率は3.84%となる。

 


 

感覚的に違和感を覚えた数字から考察して、わかりやすいデータが出せて良かったなと思っていますが、よく考えていただきたいのは、

 

「恒常的に利用される図書館」の開館時間の延長

「数年に一度しかない選挙」の投票時間の短縮

 

もちろん、人によって考え方は様々だとは思いますが、個人的に感じる重要性から鑑みると、どうもチグハグな印象しか残らない考察となりました。 

 

でも、そもそも図書館利用と選挙の投票は比べるようなものじゃないですねえ。

面倒な検証でした(笑

 

ちなみに、投票時間における投票率のバラツキに関しては、総務省が発表している『目で見る投票率(PDF)』が参考になりますが、18時台と19時台の合計は6.4%ですので、武雄市のその時間帯の投票率は高いものであったと考えることも出来ますね。