Heavy Moon

思いつ記

武雄市図書館のGWの実績数値からの考察

今週のお題「2013年のゴールデンウィーク

なにやら、はてなブログのお題がゴールデンウィークのようですし、またタイミングよくCCCからのリリースが出てきたので、Part.5を書くのを後回しにしてこちらの考察をしたいと思います。

 

武雄市図書館・歴史資料館 大型連休10日間の利用状況

まあ相変わらず、武雄市の樋渡啓祐市長と同様に「来館者数」の部分を喧伝するようなリリースですが、このリリースを過去に書いたブログと照らし合わせながら考察してみることにします。

 


延長された開館時間の来館者数に対する寄与率

CCCがこのリリースの前に発表している、武雄市図書館の4月実績のリリースを元に書いた『武雄市における『延長』と『短縮』に関しての考察』において、延長された開館時間がどの程度全体の来館者数に寄与しているかという考察と、それと比較して選挙の投票時間短縮による損失割合を提示しました。

 

4月実績では1日の平均来館者数3,312人に対して、開館時間12時間のうち延長された4時間の来館者数は607人でしたので、割合としては18.32%となります。

あくまでも平均計算をすするならば、開館時間の1/3なので33.33%となって欲しいところですが、もちろんそうはいかないというのはブログに書いた通りです。

 

そして、今回発表されたGWの1日の平均来館者数は4,713人。それに対して延長された時間帯の利用者は852人ですので、割合としては18.07%という数値になります。

武雄市における『延長』と『短縮』に関しての考察』の延長された時間の全体に対する寄与率推測が的外れではないことが、ある意味で証明されたことになります。

 

この寄与率に関しては今後もつづく予定の『武雄市図書館のデータを開館当初で比較する』シリーズの考察の際に利用していきたいと思います。

 


純粋な図書館利用者の想定 

前回書いたブログの『武雄市図書館のデータを開館当初で比較する Part.4』で、来館者数のうち「純粋な図書館利用者」はどのくらいか?という考察をしました。

平成12年度のデータである「1回あたりの貸出冊数」と「来館者に対する貸出利用者の割合」を代入して数値を求めたわけですが、考察としては説得力のある数字が出せたと思っています。

 

その結果で導き出された数値は99,358人の来館者のうち、純粋な図書館利用者の推定値は62,475人となり、前回割合を記載しなかったのですが、62.88%の方が純粋な図書館利用者であるという考察をしています。

 

では、CCCがリリースしたGWの実績データに前回の考察をあてはめてみます。

 


 

GW中の貸出冊数は17,797冊。これを平成12年度の1回あたりの貸出冊数3.41冊で除算すると、

17,797÷3.41=5,219.06158.....

となり、推定貸出利用人員5,219.06人となります。

そして、平成12年度のデータから算出した「来館者に対しての貸出利用人の割合」である26.28%が、この推定貸出利用人員になる来館者数は

5,219.06÷26.28%=19,859.436834

ですので、純粋な図書館利用者の推定人数19,859.44人となります。

 

更に、この推定人数のGW中来館者数からの割合はどうかというと、

19,859.44÷47,126=0.4214115.....

となりますので、来館者数のうち、推定する純粋な図書館利用者の割合42.14%で、4月実績から導き出した62.88%よりも20%低下しており半分以下の数値になってしまいました。

 


 

ついでに、リリースに一緒に示されている2012年(平成24年度)の数値についても公開されている統計データが存在しないので一応検証してみます。

 

来館者に対しての貸出利用者の割合26.28%、1回あたりの貸出冊数3.41冊というデータについてですが、『武雄市図書館のデータを開館当初で比較する Part.3』に示したように、平成12年度~23年度にかけて緩やかな上昇傾向にあったため、ここではその平均値を利用したいと思います。

  • 平成12年度~23年度の貸出利用者の割合平均:30.72%
  • 平成12年度~23年度の1回あたりの貸出冊数平均:3.99冊

リリースによると、2012年(平成24年度)のGW中の来館者数は8,238人、貸出冊数は9,157冊のようです。

貸出冊数を1回あたりの貸出冊数平均の3.99冊で除算すると、

9,157÷3.99=2,294.987468.....

となり、推定貸出利用人員は2,294.99人となります。

来館者数8,238人30.72%2,530.71人になりますので10%未満の誤差数値ですね。

 

まあ、この部分は今回の考察の論拠が的外れではないことを示すためのオマケですので、特に言及すべき点はありません。

 


 

以上の考察から、武雄市の図書館は「既に図書館ではないもの」になっているという印象は拭えません。

 

実際にはリリースに「1回あたりの貸出冊数」もしくは「貸出利用人員」が添えられていれば、こんなまどろっこしい考察をすることなくダメ出し出来るんですけどね。

その数値を提示出来ないということはTポイント目当ての「とりあえず借りておく」的な利用者が多く、1回あたりの貸出冊数が公開出来る数値ではないレベルだからではないか?と訝しく思っても仕方ないでしょう。

 

なお、武雄市に関しての統計的な考察に関しては、私以外の方の考察も含め、こちらにまとめつつありますので、機会があったらご覧になってください。

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