武雄市図書館のデータを開館当初で比較する Part.2
『実は』が使えないので『さて』から書きはじめます(笑
さて、実際には指摘があった通りで、貸出利用した人の割合に関して言えば、館外貸出利用人員から算出するほうが良いですし、せめて図書館の利用登録者数からの算出をしたいところです。
前回の追記では平成23年度のデータによる検証をしようかとも思ったのですが、手元にある佐賀県が公表している統計データにはきちんと平成12年度(2000年)のものが記載されています。
その統計データには、来館者数・貸出冊数・貸出利用人員のデータが存在していますし、武雄市発表の統計情報から開館日数が把握出来ますので、とりあえずそこから諸々の数値を算出してみましょう。
平成12年度(2000年)。つまり、武雄市が今回改修した建物で図書館がオープンした年度の実績です。
来館者数:171,318人
貸出冊数:153,586冊
貸出利用人員:45,022人
開館日数:138日
実は前回の検証を中途半端な状態で「次回に」としたのは、CCCのリリースの中に「貸出利用人員」の数字が存在していなかったからです。
更に、このリリースの中には「登録利用者数」13,909人の記述があるのですが、所有している改装前の統計データの中に、この数字が無かったためTwitterで【緩募】をかけてみたところ教えていただきました。
@seijimatsuda1 日本図書館協会『日本の図書館 統計と名簿』各年版より。twitlonger.com/show/n_1rk4fa4
— 焼きプリン(特殊市民✅)さん (@baked_pudding) 2013年5月5日
わざわざ、日本図書館協会『日本の図書館 統計と名簿』の中より数字を引っ張っていただきました。
ありがとうございます。
これで、平成12年度(2000年)の「登録利用者数」をエントリー出来ます。
登録利用者数:13,786人
さて、ではここから諸々の数値を計算してみましょう。
先ずは前回のブログにご指摘があった、「来館者のうちの貸出利用の割合」ですが、数字があるので簡単ですね。
これは、貸出利用人員÷来館者数で求めることが出来ます。
45,022÷171,318=0.262797......
ということで、平成12年度の貸出利用割合は26.28%となります。
また、1回あたりの貸出冊数は、貸出冊数÷貸出利用人員で求められます。
153,586÷45,022=3.411354....
というわけで、1回あたり3.41冊が借りられていることになるわけです。
ちなみに、平成12年(2000年)~平成23年(2011年)の推移をグラフ化すると、以下のようになります。
平均すると、1回あたり4冊ほどの数字になりますが、考察の中では1回あたり3.41冊という数字を利用したいと思います。
さて、後から他の計算もしなくてはいけなくなると思いますが、今回はとりあえずここまでとしておきます。
中途半端ですか?
そうですよねえ。でも、これには理由があるのです。
何故ならば、CCCから発表された改装後の図書館のデータの中に「貸出利用人員」というデータは存在していないのです。
興味を持って見ていただいている図書館関係者の方には申し訳ないのですが、私がやろうとしていることは、武雄市の図書館の実績を弾き出すことではありません。
もちろん、プロセスの中でその数字も出てくることになりますが、それはあくまでも副産物です。
私の今回の考察の目的は『武雄市図書館における、図書館以外の部分のみ利用している人の割合の想定』と、『図書館以外の施設の存在がどの程度、図書館に寄与しているか』なのです。
考えていただければわかると思いますが以前までの図書館の場合、「来館者の全てが図書館機能の利用者」だったので、100%図書館利用者だったわけです。
ところが、今回TSUTAYAなどの商業施設が入ったことで、純粋な図書館利用者はわからなくなってしまいました。
そこを紐解く作業のため、少々面倒なプロセスを経て検証しているわけです。
実際には、既にある程度の数値的な結果は出ているのですが、ブログで色々な人にそのプロセスを理解しやすくするために、何回かにわけてお送りする予定にしておりますのでご容赦ください。
というわけで、またまた次回につづくのでした。